
この記事では、家の外観の決め方を解説します。
家づくりを進める中で、「外観デザイン」は住まい全体の印象を大きく左右する重要なポイントです。いくら内装や間取りにこだわっても、外観に統一感がないと、全体の完成度が下がってしまうこともあるでしょう。
外観は、全体のテイストやコンセプトを決めてから、素材や屋根の形など、細かい部分を決めるのがおすすめです。予算内に抑えるためには、優先順位をつけることも重要です。
この記事では、おしゃれな外観デザインの具体例から、後悔しないためのポイントまで、わかりやすく解説します。
【この記事でわかること】 ●家の外観の基本的な決め方 ●おしゃれな家の外観のデザイン例 ●家の外観で失敗しないためのポイント |
家の外観の基本的な決め方

ここでは、家の外観の基本的な決め方について解説します。
- 全体のテイストやコンセプトを決める
- カラー(色味)を決める
- 建物や屋根の形を決める
- 建物の素材を決める
- 窓の位置を決める
- 外構部分を決める
全体のテイストやコンセプトを決める
まずは、住まい全体の雰囲気を左右する外観のテイストを明確にすることが重要です。
モダンや和風、南欧風、インダストリアルなど、さまざまなスタイルがあり、好みや暮らし方に合ったコンセプトを設定することで、統一感のあるデザインが実現しやすくなります。
家族で理想のイメージを共有することから始めましょう。コンセプトを決めておくと、その後の素材選びや色合いにも一貫性が出て、結果的にセンスの良い仕上がりにつながります。
カラー(色味)を決める
次に考えたいのが、外観全体の色合いです。
色の選び方によって家の印象は大きく変わります。ベージュやグレーといった落ち着いた色は飽きが来にくく、周囲にも馴染みやすいのが特徴です。
一方、黒やネイビーなどの濃色は重厚感を与え、スタイリッシュな印象を与えられます。また、アクセントとして玄関ドアや外壁の一部に異なる色を取り入れるのも効果的です。
基本はベースカラー・サブカラーの2色で構成すると、バランスが取りやすいでしょう。周辺環境との調和も意識しながら、全体のトーンを決めることが重要です。
建物や屋根の形を決める
家のフォルムは見た目だけでなく、住み心地にも関わる大事な要素です。
屋根には「切妻」「寄棟」「片流れ」などの形状があり、外観の印象に大きな影響を与えます。
たとえば、切妻屋根はシンプルで和洋どちらにも合いやすく、片流れ屋根は現代的な雰囲気が魅力です。
建物自体の形状も、「総2階」「平屋」「L字型」などのバリエーションがあり、土地の形や日当たりも考慮して決めていきます。
実用性とデザイン性の両方を意識しながら、家族のライフスタイルに合った形を選びましょう。
建物の素材を決める
外壁に使用する素材は、家の耐久性やメンテナンス性にも関わるため慎重に選びたいところです。
よく使われる素材には、「サイディング」「モルタル」「タイル」「塗り壁」などがあります。サイディングはコストパフォーマンスが高く種類も豊富、モルタルは職人の手仕事による独特の風合いが魅力です。
タイルは高級感があり、耐久性にも優れていますが費用は高め。素材によって見た目や印象が変わるだけでなく、地域の気候条件との相性も重要になるでしょう。
見た目のデザインだけでなく、将来のメンテナンスのしやすさも考慮することが重要です。
窓の位置を決める
外観における窓の配置は、見た目のバランスだけでなく、室内の明るさや風通しにも大きく関わります。
大きな窓を採用すると開放感が出ますが、外からの視線が気になることもあります。逆に、小さな窓やスリット窓を使えば、デザイン性を高めながらプライバシーも確保できるでしょう。
配置の際は、外観としての左右対称・非対称のバランスや、室内からの視界、日照の取り入れ方も考慮するのがポイントです。
ビルダーと相談しながら、実用性とデザインのバランスをとることが重要です。
外構部分を決める
外観の仕上げとして欠かせないのが、玄関アプローチや門柱、フェンス、駐車スペースなどの外構デザインです。
建物本体がどれだけおしゃれでも、外構の仕上がり次第で印象が大きく変わります。
ナチュラルな植栽を取り入れた緑を活かすデザイン、スタイリッシュな直線的でミニマルな構成、和モダンに似合う石材や砂利の組み合わせなど、テイストにあわせた選び方を意識しましょう。
防犯性や動線の確保、手入れのしやすさなど、機能性にも配慮しつつ、建物と調和した設計にするのが成功のカギです。
おしゃれな家の外観のデザイン例

ここからは、おしゃれな家の外観のデザイン例を解説します。
- シンプルモダン・ナチュラルモダン
- 和モダン
- 北欧風
- 南欧風
- エレガント
- アメリカン
シンプルモダン・ナチュラルモダン
直線を基調にしたシンプルモダンは、無駄を削ぎ落としたミニマルな美しさが特徴です。グレーやホワイトなど落ち着いた色調を使い、スタイリッシュで都会的な印象を与えます。
一方ナチュラルモダンは、木材や自然素材を組み合わせ、温もりを感じられる雰囲気になるでしょう。
どちらも、機能美を追求する現代的な外観が魅力です。翼創建では、外壁に天然素材をあしらった上質なナチュラルモダン住宅の実例が豊富にあります。
和モダン
伝統的な和の要素と現代建築を融合させた和モダンは、落ち着きと風格を備えた外観デザインです。
深い軒や格子、焼杉などを用い、四季折々の風景と調和する佇まいを生み出します。シンメトリーで整った形状ながら、素材や色合いに奥行きを持たせ、趣のある住まいになるでしょう。
翼創建では、木や漆喰の素材感を活かした和モダン住宅も手がけています。
北欧風
シンプルでありながら温かみのある北欧風の外観は、明るいカラーリングと木の質感を組み合わせたやさしい印象が特徴です。
急勾配の切妻屋根や大きな窓などがポイントで、自然光を取り込みながら開放的な空間を演出します。
翼創建では、こだわりの北欧家具や照明器具でトータルコーディネートした、機能性と美しさを兼ね備えた施工例が揃っています。
南欧風
南欧風は、スペインや南フランスの街並みを想起させる明るく親しみやすいデザインが魅力です。
オレンジ系の瓦屋根や塗り壁、アーチ状の開口部など、陽気でやさしい雰囲気を醸し出します。植栽やアイアン装飾を取り入れることで、より本格的な南欧スタイルになるでしょう。
エレガント
上品で華やかなエレガントスタイルは、装飾的な窓枠やバルコニー、シンメトリーな外観が特徴です。
石材風の外壁やクラシカルなモールディングが重厚感を生み、高級感のある佇まいに仕上がります。優雅なラインと落ち着いた色彩で、街並みに風格を添える住まいです。
翼創建では、邸宅のような存在感を放つエレガントな住宅の施工事例も好評です。
アメリカン
アメリカンスタイルの外観は、ラップサイディングや広々としたポーチが印象的です。
カジュアルながらも懐かしさを感じるデザインが特徴で、アーリーアメリカンやカリフォルニアスタイルなどバリエーションも豊富です。爽やかな配色や窓のデザインに個性が光ります。
家の外観で失敗しないためのポイント

ここからは、家の外観で失敗しないためのポイントを解説します。
- 多くの色を取り入れすぎない
- 流行を取り入れすぎない
- 柄やアクセントカラーを取り入れる
- 周辺環境にあわせてデザインする
- メンテナンスのしやすさも意識する
多くの色を取り入れすぎない
外観に使う色は、建物全体の印象を大きく左右します。多くの色を取り入れすぎると統一感が失われ、ごちゃごちゃとした印象になりがちです。
基本はベースカラー1色に対し、サブカラーを加えて2色までに抑えるのが理想的といえます。外壁・屋根・サッシ・玄関扉など、面積や目線の高さを意識しながら色を配置することで、まとまりのある外観になるでしょう。
迷ったときは落ち着いたトーンでまとめ、素材感で変化をつけると上品に仕上がります。住宅街では周囲の家との調和も大切なため、主張しすぎず、全体に馴染む配色計画を心がけましょう。
流行を取り入れすぎない
住宅のデザインにもトレンドはありますが、外観に流行を過剰に取り入れると、数年後に古く感じてしまうことがあります。
一時的な流行色や奇抜なデザインに偏ると、長く住むうえで後悔のもとになることもあるでしょう。もちろん、時代感を意識することは大切ですが、ベースは普遍性のあるシンプルなデザインを軸にすることで、飽きがこない外観に仕上がります。
たとえば、屋根形状や外壁材に流行の要素を取り入れつつも、色やフォルムは落ち着いたものを選ぶなど、バランスをとることがポイントです。
時間が経っても魅力が損なわれない「普遍的な美しさ」を意識することをおすすめします。
柄やアクセントカラーを取り入れる
外観に個性を加えるために、柄やアクセントカラーを活用するのは有効です。ただし、どこに・どのように取り入れるかが重要なポイントとなります。
たとえば、玄関まわりやバルコニーなど、一部のエリアに異素材や柄の外壁を使うと、程よいアクセントになります。過剰に用いると全体がまとまりにくくなるため、面積や配置に注意が必要です。
アクセントカラーは目立たせたい部分に限定して取り入れることで、建物全体の印象を引き締める効果もあるでしょう。
主張しすぎず、全体の配色バランスと調和するよう選ぶと、印象的で美しい外観になります。
周辺環境にあわせてデザインする
家の外観を考える際には、自分の好みだけでなく、周辺の景観との調和も意識することが大切です。
たとえば、自然が多い地域では木目やアースカラーを取り入れると風景に馴染みやすく、都市部であればモダンで直線的なデザインがしっくりきます。
また、隣接する建物の高さや色味にも配慮し、違和感が出ないよう工夫することで、街並みに溶け込む外観が生まれます。
自治体によっては景観条例が設けられている場合もあるため、事前の確認も忘れずにしましょう。周囲の建物と自然に調和しながらも、個性を失わないデザインが理想的です。
メンテナンスのしやすさも意識する
外観は見た目の美しさだけでなく、将来のメンテナンス性も重視した方がよいでしょう。たとえば、塗装が必要な素材は定期的な塗り直しが必要となり、長期的なコストに影響します。
耐久性に優れた外壁材を選べば、メンテナンスの頻度が抑えられ、見た目も長持ちします。また、屋根の形状によっても雨漏りや清掃のしやすさが変わってくるため、設計段階での配慮が欠かせません。
高所や複雑な形状は将来的に足場が必要になることもあるため、コストとメンテナンスのバランスを考慮した外観計画を立てることが重要です。
おしゃれな家の外観の施工事例

ここでは翼創建が実現した、おしゃれな家の外観の施工事例を紹介します。
- シンプルでありながら安心感を与える外観
- 庭の緑と調和するナチュラルモダンな外観
- 寄棟屋根でメリハリを付けた外観
- モノトーンが映えるシンプルモダンな外観
シンプルでありながら安心感を与える外観

※出典:豊かさに包まれる家【伊勢崎市】|施工事例|thinks 翼創建
落ち着いたベージュ系の外壁が、穏やかで安心感のある印象を与える外観デザインです。
大きすぎないボリュームと水平ラインを意識した設計が、住宅街の景観にも自然に馴染みます。
ファサードに設けた目隠しの塀や玄関ポーチまわりのバランスも良く、シンプルながら細部にあたたかみを感じられる仕上がりです。
住まい全体としても、内外のつながりや収納の工夫など暮らしやすさが随所に詰まっており、外観の落ち着きと実用性が両立した住まいです。
庭の緑と調和するナチュラルモダンな外観

※出典:自然と家族が繋がる家【高崎市】 | 施工事例 | thinks 翼創建
ナチュラルな木目調の外壁と深い色合いの黒を組み合わせたファサードが印象的な、モダンで洗練された住まいです。
道路からの視線を程よく遮りながら、リビングから自由に出入りできるプライベートデッキを配置。外とのつながりを保ちながらも、プライバシーに配慮した開放感のある設計が特徴です。
庭の緑と調和した外観デザインは、四季の変化を楽しみながら、家族がのびのびと暮らせる理想の一邸となっています。
寄棟屋根でメリハリを付けた外観

※出典:深軒の家【高崎市】|施工事例|thinks 翼創建
落ち着いたベージュ系の外壁に、寄棟屋根が安定感と品格を加えるデザインです。全体の形はシンプルながら、水平ラインと軒の出により、上質な佇まいを感じさせます。
さらに、異素材を組み合わせた玄関まわりや軒裏の木調仕上げが、控えめな中にも豊かな表情を演出します。外観にしっかりとメリハリを持たせながら、街並みに自然と溶け込む上品な設計です。
内部も明るさと回遊性を重視した空間構成で、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた住まいです。
モノトーンが映えるシンプルモダンな外観

※出典:家事効率を考えた、無駄のない家【足利市】 | 施工事例 | thinks 翼創建
白とグレーを基調にしたシンプルな外観に、ブラックのラインでメリハリを効かせたスタイリッシュな佇まい。無駄のないデザインでありながら、しっかりとした存在感があり、落ち着いた住宅街にも自然に馴染みます。
フラットな構成が美しく、シャープな印象を与える片流れの屋根や、フレームの効いたカーポートがデザイン全体を引き締めています。
外構もシンプルに仕上げられており、住まい全体が洗練された印象にまとまっています。
家の外観はおしゃれとメンテナンス性の両立が重要

家の外観は、第一印象を左右する大切な要素でありながら、長く住み続けるうえでの機能性や維持のしやすさも欠かせません。
おしゃれなデザインにこだわることはもちろん、使用する素材や色選び、構造にも注意を払い、メンテナンスの負担が少ない工夫を取り入れることが大切です。
外壁材の種類や屋根の形状によって、将来的な補修の頻度や費用が大きく変わることもあるため、見た目と実用性のバランスを意識した設計を心がけましょう。時間が経っても美しさと快適さを保てる外観は、日々の満足感にもつながります。
理想のデザインを実現しながら、暮らしやすさを支える外観を計画することが、後悔のない家づくりへの第一歩といえるでしょう。